【遊戯王デッキ紹介】次元チェーンビート
今回は遊戯王のデッキ紹介をば。
例によってマスターデュエルの記事投稿時点での構築となります。
この構築の概要
一言で言うと、【チェーンビート】に裂け目、マクコス、妖精伝姫カグヤをぶち込んだ構築。当初思っていたよりもかなり強かった。
この記事の流れ
・レシピ
・構築の経緯
・立ち回り
・採用カードの一部を解説
・採用していないカード
・まとめ
レシピ
遊戯王 デッキレシピ 詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース
どーん。
チェーンビートというデッキを知らない人も、ああこれは罠ビートなんだなと一目で分かる見た目。
構築の経緯
最初のきっかけは覚えていないが、どこからか【チェーンビート】の存在を知る。
一応チェーンビートの解説をしておくと、面倒くさいのでwikiの【罠ビート】のページから引用するが「自己離脱能力を持つ《ヴェルズ・サンダーバード》・《ゼンマイラビット》を軸としたデッキタイプで、これらが不得手とする高攻撃力モンスターや、直接攻撃を狙うものを罠カードによって除去する。
通常の【罠ビート】では使用がためらわれる《激流葬》・《つり天井》・《強制退出装置》といった自分のカードを巻き込むものも扱える点が特徴であり、あわせて大量の除去が積み込める。」
……というデッキである。
小数精鋭のモンスターとして、《ライオウ》のような制圧能力の高いものの代わりに、サクリファイスエスケープ能力を持つものを採用する。これによって《激流葬》《波紋のバリア -ウェーブ・フォース-》のような優秀な全体除去カードを扱えるようになるのである。
↑主力のモンスター達
相手が召喚・特殊召喚した時に、激流葬や強制退出装置を発動⇒チェーンしてこちらのゼンマイラビットを一時的に逃がす、というプレイングが特徴的で……なんとも弱そうでオシャレな動きだな!面白そう!
ということで、製作コストの低さも後押しして、カジュアル向きのパワーの低いデッキを想定して構築開始。最初はチェーンビートと検索したら出てくるような、つり天井や積み上げる幸福を3積みして異次元の探索者まで投入した、純チェーンビートとでも言うべきデッキが完成。
結果、(その純チェーンビートでは)フリーマッチですらロクに勝てない。
敗因はいくつかあるのだが、おおよそ除去、打点の不足と、相手のアド獲得に追いつけない問題が大きいように感じた。
まず、相手がうららをセットするだけで突破が厳しい場面が少なくなかった。ゼンマイラビットの打点1400、異次元の探究者の打点1500では倒せず、効果発動したサンダーバードがいて初めて戦闘破壊できるという頼りのなさ。また、異次元の探究者は帰還タイミングが次のターンのエンドフェイズと遅く、相手ターンに離脱すると次の自分ターンに攻撃できず、こちらも打点不足を加速させていた。除去カードに関しても、つり天井やウェーブフォースは発動条件が厳しく、使いやすい除去の不足も深刻。最後に、打点が不足していると相手が羽箒やライストを引いてくる確率が上がるため、羽箒ライストのケアも合わせて行う必要を感じた。
また、ライフを取っていくスピードが遅い以上は相手をジリ貧に追いやって泥沼に誘い込むしかないのだが、むしろこちらがジリ貧になっていく試合が非常に多かった。昨今の遊戯王では墓地効果は標準搭載であり、激流葬やつり天井の除去をしたことがトリガーとなってサーチリクルートされることが珍しくない。こちらは除去札を使っているのに相手のリソースは減らず、いつのまにか挽回不可能になってしまう……ということが頻発。
これらの問題に対処するためにいくつかの改良を行った
1. 相手のアド獲得を封殺するため、次元の裂け目とマクロコスモスを投入
2. 打点として役に立ちにくい異次元の探究者(+緊急テレポート)をリストラ
3. 羽箒ライストケアとしてスタロ増量
4. 扱いやすい除去手段として破壊輪を3枚投入するとともに、やや大振りな除去である強制退出装置、つり天井、ウェーブフォースの枚数を3枚⇒2枚に。
それでもやはり除去と打点の確保はまだ不足していそう。異次元の探究者も抜いてしまってモンスターも減ったし……。妨害と除去を兼ねられて、場持ちが良くて、うららを戦闘破壊できる使いやすい下級モンスターがいればな~~~~~~~~そんな都合の良いカードがあるはずが……
あった。
まず、召喚時のサーチ効果だが、同名カードも問題なくサーチできる。これなら状況によって雑に激流葬に巻き込んでしまってもOK。
第二の効果は自身と相手モンスターのフリーチェーンバウンスができるもの。ただの下級モンスターとしては破格の効果だが、対象と同名カードを落とすことで簡単に無効化されてしまう。しかし、次元の裂け目やマクロコスモスが存在していると相手はデッキから同名カードを墓地に送ることができず、この効果は無効化されなくなる。裂け目マクコスのある状況では手軽に1バウンスを構えられるモンスターで非常に強力。
さらに自身もバウンスするため、繰り返し再利用が可能であるだけでなく、強制退出装置や激流葬、つり天井にチェーンして逃げる事が可能でチェーンビートのコンセプトと非常に噛みあっている。なお、サーチ効果があるため強制退出装置でデッキバウンスしてしまってもあまり痛くない。
ということで、
5. 裂け目マクコスと相性が良く、相手に表側モンスターがいればフリーチェーンで離脱可能で、召喚するだけで後続を呼べる、除去・妨害を兼ねたモンスターとして《妖精伝姫ーカグヤ》を3枚フル投入。
あとはデッキを使いながら調整して完成!
立ち回り
立ち回り、と言っても【罠ビート】なのでモンスター召喚して罠ガン伏せして終了なのだが、いくつか細かいプレイングについて。
・裂け目orマクコスがあればカグヤを、なければサンダーバードかラビットを優先して召喚しよう
・強欲で貪欲な壺とカグヤがあるときはカグヤnsしてから強貪
・裂け目とマクコスの両方がある時(嬉しくない)は基本裂け目を優先して発動する。迷い風の墓地効果は裂け目発動下でも問題なく使えるため。
・つり天井は思いのほか発動条件が厳しいため、使える時はすぐ使うくらいの気持ちでいるべし。温存してるとアクセスコードトーカーにアクセス・インテグレーションされっぞ
・ウェーブフォースの発動を狙っている場合は必ず発動確認をONにしておこう。していないと、メイン終了後バトルフェイズに入って攻撃宣言を行うまでに一度もゼンマイラビットの発動確認がされなくなってしまう。攻撃宣言されてからゼンマイラビットの効果を発動してもウェーブフォースは発動できないため、ウェーブフォースの発動を狙う場合はバトルフェイズスタートステップにてゼンマイラビット等を離脱させておこう
・裂け目マクコスが無い場合もカグヤの効果はトークン、制限カード、EXデッキに1枚しかない様なカードに対しては依然有効。3枚のうち1枚までは除去されてしまってもさして大きい影響がないので、1枚までは無駄遣いOKという感覚で、裂け目マクコスが無くても出しておいて構わない。
・破壊輪の発動条件「相手LPの数値以下の攻撃力を持つ相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象」の関係上、破壊輪があるときに相手に致死ダメージを与えられないが瀕死に追い込める状態では、あえてダイレクトアタックしない選択肢があることを覚えておこう
採用カード解説(一部)
構築の経緯とかで解説してしまったのでカグヤとかについては飛ばします。
《ヴェルズ・サンダーバード》
完全フリーチェーンのゼンマイラビットと異なり、何かのトリガーがないと発動できない点に注意。また、こちらもゼンマイラビットと異なりカード名ターン1なので2体とも離脱させることは不可能。そのため2枚採用とした。
・各種壺
ドローソースと手札の質の向上。EXデッキを使わないため非常に有用。強謙を準制限に仕立て上げたルーンは許さん。強欲で貪欲については、他の壺と両方引いた場合の相性の悪さと、ライフを取るスピードが遅く2回発動するとデッキ枚数が不安なためピン採用。命削りの宝札はカグヤとの相性が悪いため採用していない。
・《次元の裂け目》《マクロコスモス》
豊富な全体除去と併用して相手を疲弊させるカード。マクロコスモスは迷い風との相性が悪いため裂け目を優先して採用している。両方3積みは腐りやすいためマクコスは2枚に。マクコスは1枚でもいいと思うが微妙なライン。
《積み上げる幸福》
ドローソース。相手の効果(チェーン1)⇒迷い風や激流葬など(チェーン2)⇒ラビットやサンダーバード(チェーン3)⇒積み上げる幸福、と簡単に発動できる。しかしこれ自体は妨害にならず、ドローしたものが妨害になるのは次のターン以降のため3枚は重く、2枚採用。積極的にアドを取りに行けるカードではあるため有用。
《スターライト・ロード》
羽箒やライストに対する対策。スターダストドラゴンが出てくるのが打点不足のこのデッキにとってシンプルに嬉しく、発動に成功した場合の旨みは神の宣告と比べても大きい。また通常罠であるため積み上げる幸福との相性も○。
なお、神の宣告は羽箒ライストメタになるだけでなく非常に汎用的だが、積み上げる幸福との相性が悪いだけでなくライフコストが非常に重たい。場を空けることが多く相手のダイレクトアタックを許す場面が少なくないこのデッキにおいては特に痛い。それでもなお採用圏内になるほど神宣は強力だが、今のところ採用を見送っている。
《迷い風》
このデッキにおける影の立役者。効果の無効化、攻撃力の半減、それらの効果が永続、相手のEXデッキからの召喚をトリガーに再利用と強いことしか書かれていない。もとより強力なカードで罠ビートではよく採用されるカードだが、攻撃力の半減は打点1400~1950を主体とするこのデッキにとって非常に恩恵が大きい。また、除去手段ばかりで効果自体を止める手段が少ないこともあり、貴重な無効化カードとして機能する。マクコスとは相性が悪いが、それでもしっかり仕事はしてくれる。握っていると安心できるカード。
採用していないカード
《神の宣告》《神の通告》
まあ、つよいよね。積み上げる幸福を抜いてこれらを投入するのもアリだと思う。採用圏内。
《強制脱出装置》
「退出」は2枚採用しているが、普通によくみる脱出の方。アド損になりやすく、長期戦に持ち込んで相手の疲弊を誘うコンセプトと反しているので採用しなかった。しかし非常に癖がなくて使いやすく、EXデッキから出てきたモンスターに対して使えば強力なのは間違いない。採用圏内。
《海竜神の激昂》
激流葬の専用サーチカード。激流葬は頼りになるので採用圏内だが、バレてしまって相手のプレイングに影響することと、うららによって妨害が減らされることもあって採用していない。使用感は分からない。
《天獄の王》
スターライト・ロードの代わりとして。いざとなれば打点にもなれるが、裂け目やマクコスを守ることはできない。
《トラップトリック》
状況に応じて必要な罠を理論上持ってこれるが…。どうなんだろう。デメリットが大きいので最後の保険としての運用になるか。また、激流葬やウェーブフォースは発動タイミングが相手に依存しがちで、バレてしまうのはやや不安定。
《センサー万別》《サモンリミッター》
展開抑制。ただ、どうせ1体でもこっちのモンスターが貧弱だと結局除去札を使わなければならないため、むしろリソースを小出しにされるのはデッキコンセプトとかみ合わないのではという意見も(俺の中で)ある。
《拮抗勝負》
強力な除去カード。ラビットやサンダーバードを予め逃がしておくことについてもシナジーがある。
しかし、発動タイミングが遅く、一度優位に立つと発動場面が限られるほか、罠をガン伏せしていると単純にこちらのフィールドのカードが多くなりやすく使いにくさを感じた。
あとは壊獣とかコズミックサイクロンとかあると思うんだけど、どっちも採用には至っていない。
ーーー採用可能性の壁ーーー
《サンダー・ボルト》《ブラック・ホール》
全体除去カード。相手の展開を阻害しようとすると、自然とこちらのターンが回ってきたときには相手の盤面は貧弱で使いどころがない。
《炎舞ー「天キ」》
ゼンマイラビットがサーチ可能とのことで遊戯王wikiに記載があるが、シンプルに利用可能な魔法罠ゾーンを1枚塞ぐのがダメ。ネットでチェーンビートで検索するとよく採用されているのを見るが、本当に使ってみたのだろうか……。非常に使いにくいしそもそもゼンマイラビット自体がサーチしてまで持ってくる価値のあるものでもない。個人的に採用はあり得ないと思っている。
《連鎖爆撃》などのチェーンバーンカード
相性いいかなって思ったけど妨害にならないのでダメでした。連鎖爆撃URで生成するしかなくて高かったのにクソ弱かったのでURのクラフトポイント返してほしい。
サイフレームを入れたり、1枚初動シンクロ出張でサイフレームロードΩ立てたりするのは流石に別デッキだと思うので割愛。
まとめ・感想・強さとか
当初想定していたよりもずっと強かった。
プラチナ1~ダイヤまでは流石にいけないだろうが、プラチナ3くらいまでなら試行回数で上がっていける実力はあると思う。まあ試合時間が長いのでランク上位目指すには向いていないです。
裂け目マクコスは多くのデッキに刺さっており、その下で除去を行い相手を疲弊させていくというコンセプトをしっかり達成できていた。こちらは裂け目マクコスがほぼ無害である上に、モンスターの場持ちの良さが半端じゃなく、泥沼の戦いにひとたび持ち込むことができれば多くの試合で勝つことができた。モンスター効果が主力の環境では、モンスター除去に絞った戦い方でも十分に勝ちを取りに行けるんだなあと実感。
また、【罠ビート】の中ではかなり後攻での勝率が良いデッキだと思う。《ライオウ》や《インスペクトボーダー》、結界像を主体とする所謂メタビのようなデッキタイプは、制圧力の高い下級モンスターを主軸とするため後攻がかなり弱い。一方、このデッキは先攻への依存度が低く、手札が1枚増える事がメリットにすらなり得る。全体除去札が豊富なこともあり、相手の先攻で制圧盤面を作られてしまっても迷い風+ウェーブフォースなどで捲ることも珍しくなかった。特に最近の制圧盤面はモンスターに対するメタが強く、罠に対する妨害は薄いことも多い。例えば、しっかり先攻で動かれた【烙印デスピア】や【相剣】に対して後攻から勝つ場面もしばしば見られ、めちゃくちゃ気持ちよかった。もちろん裂け目マクコスの存在もあって先攻の方が勝率はいいんだけどね。
弱そう!面白そう!で組み始めたデッキだが、思ったよりも強くカジュアルっぽさは薄れる結果に。カグヤと裂け目マクコスつええ…。
~このデッキの弱点~
つよいつよいばっか言っても、まあダイヤ帯には足を踏み入れられないであろうデッキだからね。以下にいくつか弱点を挙げていく。
- 安定性が(環境デッキほどには)ない。モンスターの枚数は極力絞っているが、それでも8枚あるモンスターばかり引いてしまって妨害できない手札になってしまうことが少なくない。裂け目マクコスが手札にダブったり、積み上げる幸福やスタロといった直接妨害にならない札がダブったりするとあっさり相手の展開を許して負けてしまう。各種壺のおかげでそれなりの安定感はあるが、各種サーチ手段が豊富で事故率の低い環境デッキと比べるとさすがに不安定なデッキである。
- 耐性持ちの処理手段がない。除去のほとんどを罠に頼っており、「効果を受けない」耐性持ちの処理手段がないため、そのようなモンスターを出された時点で負け確定となることも多い。ファイナルシグマは絶対に出させてはいけない。また、蠱惑魔の罠耐性も非常に厳しい。ただし、対象耐性や破壊耐性についてはやりようが色々あるので(2~3体ならば)そこは概ね問題ない。強制退出装置やウェーブフォースならばその両方を貫通できるし、破壊耐性だけならカグヤや迷い風、対象耐性だけなら激流葬やつり天井が有効。
- 魔法罠が重要なデッキに対して何もできない。ルーンとかルーンとかルーンとか。あとは先ほどの耐性持ちの話にも繋がるがトゥーンやブラックマジシャンなども厳しい。トゥーンキングダムが処理できない以上、相手フィールドに手軽に対象・破壊耐性持ちがポンポン出てきて負けてしまう。永遠の魂で守られたブラックマジシャンなどもほぼ突破不能。まあだからと言ってコズミックサイクロンなどを積めばいいのかというと、逆に総合的な勝率は下がる可能性も高い。罠ビートとは相性が悪いのだと割り切るしかないだろう。
総じて、なんとしても泥沼の戦いに引きずり込んでいくデッキで、現代遊戯王とは思えない低速デュエルを楽しめるデッキとなった。じわじわと相手を追い詰めていく様はニヤニヤできて気持ちがいいので、興味があれば是非使ってみたらいかがでしょうか。ちなみに、ミッション達成にも便利です。このデッキで1戦すればデイリーの罠ミッションは終わるし、イベントデュエルの魔法罠使用回数ミッションをこなすのにも向いている。
さて、今回はこんなところかな。長くなっちゃった。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
次回は【ヤジロベーダー】とか紹介する…かも。
ポケモンの方も気に入った構築ができたら記事にしたいとは思ってます。
ではまた。